◆食中毒原因菌  [Bacteria causing food-borne-diseases]

  食中毒は微生物、化学物質、毒きのこなど様々な原因物質で起こるが、その大部分は細菌が原因です。細菌が原因の食中毒を、細菌性食中毒と呼び、原因となる細菌の事を食中毒原因菌という。日本で食中毒の原因菌として多いのはサルモネラ、腸管出血性大腸菌、腸炎ビブリオ、黄色ブドウ球菌、カンピロバクターの順で、近年サルモネラ、特に腸炎菌で汚染した鶏卵による食中毒と、腸管出血性大腸菌O157:H7による食中毒が増加している。  細菌性食中毒は、その発症の機序から2つに分けられる。一つは感染型食中毒で、細菌で汚染された食品や水など摂取し、腸管内で細菌が増殖して外毒素を産生するなどで発症するもので、多くの細菌がこのグループに入る。一般に潜伏期間の長いのが特徴で、摂取した細菌の量も影響するので、単純に潜伏期間の長さだけでは決まらない。例えば腸炎菌では一度に108個以上を摂取しないと食中毒にはならないが、腸管出血性大腸菌では100個以下でも発症する。  もう一つは、毒素型食中毒と呼ばれ、予め食品中や水中で増殖した細菌が産生した外毒素を経口的に摂取して食中毒になる場合である。黄色ブドウ球菌やボツリヌス菌などの産生する腸管毒素が原因となる。一般に潜伏期間は短いのが特徴である。
関連 細菌
関連 サルモネラ菌
関連 腸管出血性大腸菌
関連 腸炎ビブリオ
関連 黄色ブドウ球菌
関連 カンピロバクター