◆脂質 [Lipid]
タンパク質、多糖質とならんで生体を構成する重要な物質群で、一般には水に不溶で脂肪溶剤(エーテル、ベンゼン、クロロホルムなど)に溶け、加水分解によって脂肪酸を遊離し、さらに生物に利用される物質であるが、石油を分解・利用する細菌も存在するので、分子中に長鎖脂肪酸または類似した炭化水素鎖をもち、生物体に存在するか生物由来の物質を脂質という。脂質は大きく単純脂質、複合脂質、それらの誘導体(水に不溶な加水分解産物)に分けられる。単純脂質であるトリアシルグリセロール(グリセロールの脂肪酸エステル)は動物の脂肪組織に多く、複合脂質、たとえばリン脂質は生体膜(細胞質膜)の重要な構成成分である。広い意味ではステロイド、カロテノイド、テルペノイドも脂質に含めることもある。
近年、脂質生化学の発展にともなって、生物にとって重要な複合脂質であるリポ多糖、リポタンパク質あるいは糖脂質など重要性が解明されつつある。
タンパク質
多糖質
細菌
細胞質膜
カロテノイド
リポ多糖
リポタンパク質