◆食品微生物 [Food microorganisms]

 食品の製造(発酵など)に関係する有用な微生物と、食品の変質(腐敗や変色など)や食中毒に関係する有害・有毒微生物をいい、細菌、真菌(かびや酵母)、原虫、微細藻、藍藻、ウイルスなど広範囲の微生物が含まれる。発酵に関与する場合は発酵微生物、腐敗に関与する場合は腐敗微生物、食品に汚染して感染症や食中毒をおこす場合は病原微生物や食中毒微生物として扱われる。真菌や細菌などの発酵微生物は古くから知られ、腐敗微生物もきわめて多く、食品を変色させる好塩細菌や低温細菌もある。また、食中毒をおこす細菌はかなり多く、黄変米の原因となり発癌性のあるペニシリウム属などの有毒かびのほかに、トキソプラズマや赤痢アメーバのような原虫、カンピロバクターのような新しい食中毒細菌、貝毒をもつ微細藻や藍藻なども食中毒微生物に含まれる。これらの微生物はおもに食品微生物学として調査・研究されるが、その目的や種類によって食品衛生学、病原微生物学あるいは環境微生物学の分野でも扱われている。

関連 食品の変色
関連 細菌
関連 真菌
関連 原虫
関連 微細藻
関連 藍藻
関連 ウイルス
関連 好塩細菌
関連 低温細菌
関連 カンピロバクター