◆水生哺乳類の敗血症菌(丹毒菌) [Erysipelothrix rhusiopathiae]

 ヒトやブタに丹毒をおこすこの細菌は、アシカ、オットオセイ、アザラシなどの水生哺乳類の重要な病原菌でもある。これらの動物の症状は陸上の動物と同じように急性の出血性敗血症、蕁麻疹(じんましん)、関節炎、心内膜炎などをおこして伝染することもある。また、海水魚の保菌率も高く、爬虫類のカイマンやクロコダイルからも分離されている。これらの動物からヒトの傷口へ感染するので、とくに漁業関係者や釣り人は注意が必要である。
この細菌はグラム陽性、通性嫌気性で芽胞や莢膜をもたない、桿菌(0.2-0.4×0.8-2.5μm)である。哺乳類のほかに鳥類の病原菌でもある。発育の適温は30-37℃で、60℃、15分の加熱で死滅する。

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