◆タンパク質 [Protein(s)]

 多糖、脂質、核酸とならんで生物体を 構成している主要な高分子物質である。約20種類のL-α-アミノ酸(グリシンを含む)がペプチド結合したポリペプチド鎖から成っている。構成するアミノ酸の種類、数、結合様式などによってタンパク質の種類は、分子量が約4,000のプロタミン類から分子量が数千万、数億に達するウイルスタンパク質まできわめて多い。ただし、分子量が10万程度以上のタンパク質は一般にいくつかのサブユニットの集合体である場合が多い。
アミノ酸のみから構成されている場合を単純タンパク質、アミノ酸以外の成分も含まれて構成されている場合を複合タンパク質という。前者にはカゼイン、コラーゲン、ケラチン、アルブミン、プロタミン、ヒストンなどがあり、後者には糖タンパク質、リポタンパク質、核タンパク質、色素タンパク質、金属タンパク質、リンタンパク質などがある。すべての酵素もこれらのいずれかのタンパク質である。また、その分子の形状から繊維状タンパク質(ケラチン、コラーゲン)と多くの球状タンパク質に分けられる。
タンパク質の構造は順次、一次構造(アミノ酸の配列)、二次構造(α-ヘリックスやβ-構造、ランダムコイル)、三次構造(特定の空間的配置)をとり、さらに三次構造の単位(サブユニット)が集合して四次構造をつくっている。一般にタンパク質は熱で変性しやすいが、これはその高次構造が破壊されるからである(好熱菌のタンパク質は耐熱性)。一般にタンパク質を抗原として異種の動物へ接種するとそれの抗体ができる。その抗体は抗原タンパク質と抗原-抗体反応をおこすので、この反応を利用して微量のタンパク質を検出することができる。タンパク質の標準物質としてウシ血清アルブミン(分子量66,000)がよく用いられる。

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