◆腸内ウイルス [enterovirus(es)]

 腸内で増殖するウイルスの通称名で、塩酸や胆汁等でも死滅しないウイルスである。腸内ウイルスは、神経細胞を好んで犯すポリオウイルス、出血性結膜炎を起こすアデノウイルス、カゼの原因となるコクサッキーウイルスやレオウイルス、その他で総計百数十種類も知られている。これらのウイルスは、飲食物と共に体内に侵入し、胃で胃酸(濃い塩酸のこと)に触れても死滅せずに腸に達し、そこで胆汁(強いアルカリ液)と混ざるが無傷のままで、腸管の細胞で増殖する。増殖したウイルスの一部は血液中に侵入するが、大部分は糞便と共に排泄される。腸内ウイルスの感染は、糞便を間接的に食することにより起こる。
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