◆厄水 [Yakumizu]

 東北地方、とくに三陸沿岸の海域でよばれている赤潮に似た海水の異常現象である。原因は低温、低塩分になった海水に植物プランクトン、とくに珪藻類のキェートセロス(Chaetoceros)やタラッシオシラ(Thalassiosira)などが大量に増殖することによる。これらのプランクトンが大発生した水塊が沿岸へ押し寄せると急に不漁になるので、"厄水"とよばれるが、この水塊が去ったあとは逆に魚介類や海藻類の生育が良くなるので、"役水"、"薬水"ともよばれる。なお、岩手県の方言で濁り水を"きそ水"という。

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