◆有機ヨード剤 [Organo-iodine compound(s)]

 殺菌剤(消毒剤)の1群で、ハロゲンのよう素(沃素)を含む殺菌性のある有機化合物をいう。ポリビニルピロリドンとよう素との錯化合物であるポビドンヨードやヨードホルムがあり、器物、皮膚や傷口の消毒に用いられる。また、よう素を非イオン性の界面活性剤と結合させて水溶性にしたヨードホールとよばれる殺菌剤もある。ヨードホールは結核菌 、芽胞形成菌、真菌(かび)などの殺菌やウイルスの不活化などに広く使用される。手指の消毒には1.75%の溶液を200倍に、食品の消毒には300-500倍に希釈して用いられる。なお、有機ヨード剤ではないが、よう素とよう化カリウムのエタノール溶液をヨードチンキ、水溶液をルゴール液といい、皮膚や傷口の消毒によく用いられる。ルゴール液は細菌のグラム染色にも用いられる。

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