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暮らしと微生物 (まえおき)

 いつごろからか正確には判りませんが、健康と清潔に留意している人たちが多くなりました。このこと事態は、決して悪いことでも間違っていることでもありません。しかし、一部の人たちは、その程度が少し過敏すぎるようにも見受けられます。世間の健康志向や清潔志向を先取りしてビジネスに取り入れている企業も多く見受けられます。

 有機栽培作物、遺伝子組換え大豆を使っていない豆製品、虫がつかない輸入食物、マイナスイオンを放出する暖房機、ウイルス粒子を破壊する加湿器など、意味が曖昧な機能や宣伝文をよく見かけます。  一方、科学的には正確なのでしょうが、使われている用語や表現があまりにも難しくて、よく理解できない記事や取扱説明書もかなり存在します。  これらの事柄を意識しながら、暮らしと微生物のかかわりを中学生でも理解できる程度に平易に語りかけるカラムが「暮らしと微生物 曖昧模瑚(あいまいもこ)」です。
 この「曖昧模湖での解説や紹介は、自分の実験から知り得たこと、友人たちから聞いたり見せてもらったりしたこと、学術雑誌に公開された報告などから私の判断で選びだした内容に対する個人的な見解をメモとして表したものです。 決して科学的に間違ったことを書いたり、故意・悪意的な表現を意識して書いたりしていることは決してありません。しかし、科学的専門的な内容をできるだけ専門用語を使わないで説明することは、結構難しいことです。
 そのため表現や用語を一般的なものに置き換えると、科学的には正確性を欠き、専門家から見ると少し甘い表現となっている文章が多くなる可能性が危惧されます。表現や内容が甘くなることはある程度は意識して書いていますが、時には私個人の記憶違いや本質的な間違いを犯していることもあるかもしれません。読者諸賢の忌憚のないご意見や指摘をお寄せ頂きたいと願っています。できるだけの対応をさせてもらう積りです。

平成20年1月 吉日
微生物管理機構 理事長
北里大学 名誉教授
医学博士 田口文章

 

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