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22.抗菌グッズの殺菌力 1-15-97.

  清潔で快適な生活を送りたいとの願望から、洗剤・洗髪剤・洗髪剤・芳香剤・脱臭剤・抗菌剤等が日常的に多く使われる傾向にあります。最近の特徴は、何でもかんでも抗菌が良いと考えている人達が増えたことでしょう。文房具の一部も抗菌入りになっています。一般消費者は、有効な抗菌力や抗菌剤をイメージしているものと思われます。しかし、抗菌作用を持たせた靴下が売られていますが、数回洗濯したらその抗菌剤は溶けて消失てしまう製品や単に抗菌剤を入れてあるから抗菌作用があるだろうとの見込の製品等も時にはあるようです。高いお金を払ってもそれだけの効果がない事も有り得る事を知ってる賢い消費者であるべきでしよう。


◆追記◆

◆5-7-97◆  国民生活センター(国立)のテスト結果

 5月7日の夕刊に次のような記事が掲載されていた。

 <国民生活センターと全国の消費者センターが合同で、「抗菌」と表示する合成樹脂の台所・洗面用品(まな板、流し三角コーナー、スポンジ、洗面器、歯ブラシの5種類の商品の23銘柄)をテストした結果、8銘柄(35%)は大腸菌を減らす効果が大きいが、他の8銘柄(36%)は抗菌加工してない商品と差がなく、効果のあった15銘柄(全商品の65%)のうち8銘柄(53%)は2カ月間使用したら効果が落ちたり無くなった。国民生活センターは6日、メーカーの担当者らを集め、抗菌力の自主規格を設けるとともに商品に抗菌剤の種類などを明記するよう要請した。>


 新聞記事では極めて控えめな表現となっているが、あまりにも無責任な商品が目につき過ぎるので、とうとう国もテスト結果を発表し、メーカーに警告を発したものと解釈されます。この夏もO−157による食中毒が発生する可能性がありますが、「抗菌の表示があっても効果は様々ですから、過信しない事と清潔に使用する事が肝心です」。消費者よ自分の健康のためにも賢くなろう。



◆追記◆

◆10-4-97◆  抗菌剤入り食器より有毒物質が検出

 私が恐れていた事かとうとう現実になりました。「抗菌剤入り子供用食器、基準を超す化 学物質、大阪市メーカーに回収命令」という記事が平成9年10月4日の新聞夕刊の全国版 に掲載されています。大変に恐ろしい内容の記事で、皆さんの生命に関わる大問題なので紹 介します。

新聞には次のような文章が書いてあります。

 大阪市内の食器メーカーが作った抗菌剤入りの子供用の茶わんやコップに、食品衛生法で定めた基準を上回る化学物質「ビスフェノールA」が含まれていることが分かり、大阪市環境保健局は3日までに、食器製造会社に対し全国で販売されている7品目の回収を命令、15品目についても自主回収を指導した。

 この食器製造会社は、食器の素材として多用されている「ポリカーボネート」という合成樹脂に抗菌剤を混ぜた原材料を購入して使用した。検査の結果、「ポリカーボネート」だけを使った食器は「ビスフェノールA」が食品衛生法の基準内(基準値は500 ppm)だったのに対し、抗菌剤入りの食器7品目は基準値を上回り,中には960ppm検出されたものもあった。この会社は、昨年10月より全国に約9万5千個を出荷したそうです。

この記事を読んだ感想として、次の2点を上げたいと思います。

 第一の問題点は、食器を製造販売した会社は、原材料を購入する際に、製造元の会社に原材料の抗菌活性や安全性について、確認していると思われます。私の推測では、原材料を販売したい会社は購入してくれそうな会社に対して「大丈夫(実際の文書でのやり取りを確認したい気持ちです)」と答えたと思われます。製造会社は、「安全性を確認してないものを売ったのか、安全でないものを売ったのか、または安全な使い方等を正確に伝えてない」等の責任があると思います。

 第二の問題点は、食器製造会社は、自主検査や自主確認もしないで食品衛生法も「大丈夫」と思ったのでしょうか。安全を確認しないで売ったとすると「PL法」に抵触かる可能性がありそうです。

 原材料を販売した会社は、人体に有害であるかも知れない製品をどうして売りつけたのであろうか。また食器会社は、特に子供用の食器の安全性をなぜ確認しないで全国に販売したのであろうか。私の推測では、どちらの会社も「安全だろう、大丈夫であろう」と思い込んで いたのではないかと思われます。この抗菌剤入り食器は、抗菌作用も調べてない可能性も疑われます。それよりも「抗菌効果はあまり無く、有害性は顕著な製品を消費者に売っていた」可能性もありましょう。どちらの会社も無責任と思いませんか。大阪市は、子供用の食器 の安全性の問題ですから、もう少し消費者に正確な情報を公開すべきと考えます。

 「ビスフェノールA」という物質とその毒性は、調べてからお知らせします。食品衛生法では、500ppm までは基準内(安全という意味でしょうか)として使用を認めているのですが、この数値を医薬品として考えると毒性は弱い範疇には入らないような気がします。

 抗菌グッズに関しては、抗菌効果と安全性などがアイマイなものが多いようです。消費者のみなさん、賢くなりましょう、だまされないように心がけましょう。抗菌グッズを購入するときは、抗菌効果と安全性を充分に確認しましょう。これは自分自身や愛いする人や子供の生命にかかわる大問題です。イササカデモ疑問のあるものは「買わない・使わない」のが一番安全です。



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