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29.ヤコブ病(プリオン病)とは? 1-23-97.

  老人性痴呆(ボケ)の1種類にクロイツフェルド・ヤコブ病という精神科領域の病気があります。ヤコブ病は、50~60才以上の老齢者にみられ、脳がスポンジ状に穴だらけになり、更に脳全体が萎縮して軽くなる非常に珍しいが、全世界で認められ植物状態になり死亡する病気です。この病気で亡くなった患者脳を実験動物の脳に注射すると、1~2年の長い潜伏期を経て動物の脳はスポンジのよに萎縮して死亡する。即ち、この老人性痴呆は移るボケなのです。このボケの原因体は、プリオンという奇妙なタンパクであると考えられています。移るボケを別名プリオン病とも呼ぶようになりました。



◆10-7-97◆
 プリオンの発見者プルシナー博士にノーベル賞.

 10月7日の夕刊に米国の科学者プルシナー博士にノーベル生理学・医学賞の授与が決定したとのニュースが掲載されていました。俗に言うウツルボケの研究からガイジュセック博士に続いて二人目の受賞者が出ました。

狂牛病の病原体として知られるタンパク質「プリオン」を発見・命名し、アルツハイマー病などの人間の痴呆症ボケの解明にカギを与えたことが受賞の理由となったようです。

プルシナー教授が1982年に「プリオン」を発見したと発表した当時は、プルシナー教授自身の性格にも大いに関係すると思われますが、「遺伝子がないタンパク質に伝染性または増殖性があるはずがない」とか「馬鹿者呼ばわり」をするような批判を浴び、異端児扱いを受けた。私もある国際学会で、プルシナー博士と多くの聴衆の科学者との間で戦わされた「スサマジイ」質疑応答をつぶさに見たことがあります。だが現在では、狂牛病などの原因がプリオンであることは、多くの研究が証明しているようです。

どのようにスサマジイ論争であったかに興味のある方は、例えば次の本を図書室で探して読まれると面白いかと思いますか。特別に推薦する訳ではありませんが、「石川 純著、ブリオン物語、科学(和文の雑誌名).97巻:563−569頁、1987年」です。



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