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155.足の臭いに悩む女性達.81199.

@.香りと臭い.

 快い香りや不快な臭いを嗅ぎ分ける臭覚は、最も鋭敏な知覚のひとつであります。しかし、この鋭敏である臭覚は、その感じ方や感じる鋭さ(感度)に個人差が大きいのも事実です。

 「自分の足が臭くて耐えがたい」と悩みをもっている人達が意外に多くなってきているように感じられます。他人に相談しにくい悩みであっても、電子メールは顔を見られない特殊な媒体ですから、見ず知らずの者へ簡単に悩みを打明けられる気安さがあるので質問や相談が多くなった原因かも知れません。

 私は、数名の女性の方々と足の臭い消しに関する試験を実施しています。年令は、20才代が多く一部30才代です。腋の下が臭くなる腋臭(わきが)や特別に体臭が強い人はこの人達には居ないようです。彼女達に共通していることは、「自分の足、靴や靴下(ストッキング?)も臭い」ので、他人の家を訪ねることや靴を脱いで皆で座敷に上がる席などは、とても気を使うようです。

 

A.足が臭いのか汗がくさいのか.

 手のひらと足の裏の汗腺から出る汗は、透明な水様で、99%は水分で、塩、乳酸や尿酸などをわずか含んでいます。平均的な酸度pHは、5.7-6.5で皮膚表面のpHを弱酸性に保つのに役立っています。臭いのもとになる物質は少ないのでこの汗は無臭です。体温調節のための発汗は、全身の皮膚にある汗腺で起こりますが、手のひらや足の裏の汗腺は、精神的な緊張や興奮により盛んに発汗します。緊張や興奮などのストレスが加わり通常より多量に汗をかき、その汗をそのまま放置すると、汗のpHはアルカリ性になり、微生物が繁殖し易くなります。

 足の臭いが強い人の靴下と足底からは、臭さの原因物質としてイソ吉草酸が検出されます。腋臭の強い人からは、カプロン酸などが検出されます。臭いの弱い人からこれらの物質は検出されないそうです。

 正常な皮膚にも常に細菌が存在します。比較的菌数が多く存在する部位は、足の底が1センチ平方に約20万個、頭皮が約100,000個、腋の下が約50,000個などで、その他の部位、例えば、太腿や顔面では1センチ平方に約1,000個程度です。細菌の種類としては、ブドウ球菌、レンサ球菌、プロピオニバクテリウム(ニキビ菌)やコリネバクテリウム菌などです。

B.各自で実験しました.

 お風呂に入ったときに、足を念入りに洗いました。足のクルブシの近くから始まり足の指の間と付け根などを、特別に小さなブラシと石鹸を使って丁寧にもみ洗いし、そして大量の湯で流し洗いをしました。その後、乾いたタオルで指の付け根まで良く拭いて乾燥させました。このような操作をした後は、誰一人として足に臭いを感じませんでした。

 足にビニールの袋をかぶせ、クルブシの近くをゴムヒモで止めて、足が蒸れるようにしました。それで人によっては、トレーニングジムで1時間程度エクササイズをして汗を出してもらいました。またある人には、1時間程度自転車に乗って汗を出してもらいました。ビニール袋にたまった汗の量は、人により違いましたが、袋から小さなガラスコップに移してもらい、その場で臭いを嗅いでもらいました。全ての人の汗は、無臭でした。汗の量が多い人は、汗を二等分しコップをラップで覆いました。一個は冷蔵庫に入れ、他の一個は室内に1日置きました。冷蔵庫に保管した汗は前日と同じく無臭でしたが、室内に1日放置した汗は、自分の足や靴の嫌な臭いがしました。

 足の嫌な臭いに悩んでいる人の足も汗も共に無臭で、嫌な臭いを発していないことを自分で確認できました。それでは汗を1日室内に放置するとどうして臭くなるのでしょうか。また実験をしてもらいました。

 例によって汗を集めて、3個のコップに分け、1個はそのままラップを掛けました。次ぎのコップには食酢を少量加えてラップを掛けました。残りのコップにはブリーチを数滴加えてラップを掛けました。3個のコップは、室内に1日放置して、翌日汗の臭いを嗅いでもらいました。何も加えない最初のコップは、例により臭さを感じました。その他の2個のコップからは、酢や塩素の臭いはしましたが、嫌な臭さは感じませんでした。

C.自分で得た結論は?

 電子メールで指示した通りの方法で各自が実験し、得られた結論は次ぎのようでした。

 1.自分の足は臭くない、臭いと思っていた汗も臭くない。汗を1日放置すると臭くなるが、食酢やブリーチを加えたら臭くならなかった。

 2.足、靴や靴下が臭くなるのは、大量の汗をかき、雑菌が繁殖して臭くなるのだろう。 

 3.多量な汗をかかず、雑菌を繁殖させなければ、臭くならないかも知れない。

 4.多量な汗を出さないために、足が蒸れないようにする。靴は同じものを続けて履かず、靴下は汗をかいたら履きかえる。

 5.雑菌を繁殖させないために、足の指の間や付け根までも良く洗い、良く乾燥させる。

 6.食酢やフリーチは、適当に使うと雑菌の繁殖を抑えることができる。

以上

 気温が高くなっただけでは、足はあまり汗をかきません。靴が合わないなどのストレスを取り除ければ汗の量は少なくなり、蒸れないように心がけ、雑菌を少なくするよう足の指まで清潔にできれば、あなたの足の臭さは解消できるかも知れません。

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