▲▲ ▼▼

174.砂場を清潔にする砂.11-11-99.

  1. 砂場は子供の楽しい遊び場.
    子供の頃に砂いじりや泥んこ遊びをして、衣服や顔まで汚して母親に叱られた記憶は皆さんにもありましょう。叱られてもまた子供達は砂場で遊ぶ。衣服を汚すだけでなく家にまで砂を持ち込むので母親は叱るのでしょうが、友達と遊ぶ楽しさや何かを創っては壊すこのような体験は子供の発育段階では良い情操教育と考えられています。

    子供達が毎日楽しく遊ぶその砂場に猫や犬が来て糞をして大変に不衛生であるらしいことを新聞記事やテレビ番組で見かけることがあります。隠しカメラによる映像では、夜になるとどからともなく猫が集まってくる様子も詳細に記録されているようです。

    子供達と猫が交差する結果、砂場の砂が猫の糞便に由来する微生物によって汚染されているとの事なので、どの程度に汚染されているのかに興味を持ちました。本来砂場に限らず、屋外の施設が無菌である筈も有りませんし、また無菌でなければならない理由も全くありません。しかし、砂場は子供達にとっては楽しい遊び場ですから、砂場の管理者や砂場の近く住民は、子供達の健康に気を配っていろいろな対策を施しているようです。例えば、夜になると砂場をシートで覆う、砂場の砂を定期的に入れ変える、必要におうじて消毒薬を散布するなどてす。私達も公園の砂場について微生物を調べてみました。公園内にある
    20個所の砂場を四季を通して2年間、計160サンプルを集め、試験をしました。その結果、砂場の表面に近い砂には、それなりの細菌と回虫の卵が検出されました。

    公園の管理者によると、定期的に消毒剤を散布し、砂が少なくなると適当に新しい砂を追加し、ある間隔で砂を加熱して滅菌をしているのだそうです。砂場の管理費は大変な額になるのに、不衛生になってしまうのでは施す術がないので、なにかよい方法がないものかと相談を受けた次第です。
  2. 砂場は猫のトイレです.

    砂場に優良な消毒液を散布して消毒しても、清潔な砂と入れ変えても、また砂を焼いて滅菌しても、その晩にネコがきて糞を残していくのであれば、このような苦労は焼け石に水の感じがします。またかけた費用も無駄になってしまうのではないでしょうか。なぜならば、一時的に清潔にする即効性はあってもその清潔度の持続性がないと考えられるからです。

    砂場の砂が無菌である必要はない筈ですが、砂場の管理者のご苦労や管理費を軽減する方法は無いのでしょうか。少し宣伝的になりますが、砂場に良い砂を見付けましたので紹介させて貰います。ここに紹介するのは、商品を宣伝することが主な目的ではありません。純国産品で持続性に富み環境にも優しく経費節減にもなると考えられる商品でうるからです。

    プラスチックの専門企業と共同で砂場を清潔に保つ砂の開発を数年間検討してきました。基本的な考えは、細菌が付着しやすいプラスチックを作る、殺菌力のある物質を結合させる、砂より少し重い小粒子にする、全て国産の物で完成されるなどでありました。

    条件にもよりますが一般に細菌の表面は陰性に荷電していますから、プラスチックを陽性に荷電させれば細菌は付着するはずです。殺菌力のある物を無駄に消費させない(持続させる)ためには、プラスチックに細菌が付着した時のみ働く殺菌物質を結合させると良い筈です。そこで、陽性に荷電させたプラスチックに沃素を結合させ、沃素の酸化力で殺菌作用を発揮させることにしました。沃素は高価な物質で世界的にも産出量は限られていますが、千葉県で天然ガスと一緒に噴出してくる沃素を採用し、適当な重さを出させることにしました。砂より少し重くする理由は、子供達は砂場の砂を毎日かき混ぜて遊びますから、子供達による自動的な攪拌効果を期待し、更に少しぐらいの風で吹き飛ばされないためです。試行錯誤の後に完成したのが「
    アイオマック」です。製品は企業が担当し、微生物に対する効果は私共で分担しました。
  3. 経済的な砂場の清浄法.

    アイオマックの実験室内での条件と屋外の砂場での効果を試験してみました。

    1.試験管を用いた実験室内での試験成績は、おおよそ次の様でありました。大腸菌(約7千万個
    CFU/ml)、黄色ブドウ球菌(約6千万個/ml)と緑膿菌(約7千万個/ml)の3菌種の細菌は、約30秒間のアイオマックとの接触で完全に死滅され、殺菌率は99.9999%以上でありました。コクサッキーウイルス(約3百万個PFU/ml)に対する効果は、30秒の接触で98.03%、3分間の接触では99.999%以上でありました。また単純ヘルペスウイルス(約3百万個PFU/ml)には、30秒の接触で完全に死滅されました。

    2.幼稚園内の砂場の試験成績は、大変によい結果が得られつつあります。アイオマックを散布する前の試験では、砂1グラム中(以下同じ)の一般生菌数は約30万個、大腸菌類似菌数は1400個、回虫卵は2個でありました。散布した40(90)日後では一般生算数は約2万6千(6万8千)個、大腸菌類似菌数は約10(10以下)個、回虫卵は0(0)個となりました。90日後のサンプルは、40日後の成績と一部あいませんが、それは前日まで雨が降っていたことが原因かも知れません。230日後では、一般生算数は約6100個、大腸菌類似菌数は10個以下(不検出)、回虫卵は0個となりました。この効果は、現在も継続中で1年間程度の期間持続しようです。

    アイオマックは、自然状態では多少ヨウ素の臭がします。その結果、細菌に対する効果とは別にネコなどか近寄らなくなり糞が少なくなるように考えられます。

    ヨウ素は、日本人が好んで食べるコンブなどに含まれる物質で、塩素に近い性質のものです。それですから、一般には安全なもと考えられていますが、ヨウ素に過敏な人がごく少数ですけれど居ます。そのような化学物質に過敏な子供達に「アイオマック」がどのように影響するかは今後調べなくてはならないと思います。尚、この商品に興味のある方は、「
    優良認定」の11番「アイマックサンド」に掲載してありますので、そちらをご覧になって下さい。

    砂場を安全にするために、強力な消毒薬や残留性のある化学物質などの使用による消毒や燃料を使った加熱処理に頼らずに、環境に優しく且つ永続的に使用される経済的な方法の開発が必要と思われます。

▲▲ ▼▼



Copyright (C) 2011-2024 by Rikazukikodomonohiroba All Rights Reserved.