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177.は虫類のペットと手洗い.12-25-99.

  1. サルモネラ菌による食中毒.
  2.   生タマゴを食べて食中毒になるのは、病原性大腸菌O157とは別なサルモネラと呼ばれる細菌によるものです。米国から輸入されるニワトリのヒナがサルモネラ菌に感染しているために、1,000個に1個程度の頻度で鶏卵にサルモネラ菌が迷入しているようです。

      一昔前では法定伝染病に指定されていた腸チフスを起こすチフス菌がサルモネラ菌の代表でした。大腸菌とおなじようにサルモネラ菌にも実に多くの細菌が分類されています。チフス菌は血液のなかに入りこみ腸チフスという大変な病気をおこします。腸チフス菌とは別なネズミのチフス菌やエンテリティデイス菌が食中毒の原因となります。

  3. カメなどのペット人気とサルモネラ感染.

  どこからか逃げ出したか大きなトカゲが公園の茂みから見つかったり、いつのまにか多数のカメ(は虫類ではないかも知れません)が公園の池に生息するようになった等の報道から、今までは国内に生息していなかったはずのは虫類が一般家庭でもペットとして飼育されている様子を読み取れます。は虫類は気味悪くてさわることもできない人がいる反面、とてもかわいく感じる人もいるのです。私達がなにげなくペットと呼ぶ動物を獣医学の領域では、伴侶動物と呼ぶのが正式であるそうです。寝るときでも一緒でしかも生涯お付き合いする動物という意味のようです。伴侶動物を自分の一方的な都合で「三行半」を付きつけたり、捨てたりしてはいけないのです。

  米国では、1996年から1998年にかけて16州の保健局から、トカゲ、ヘビ、カメなどのは虫類と接触した者にサルモネラ菌の感染があることが報告されているそうです。ペットのカメがサルモネラ菌の重要な感染源であったため、1975年から大きさが4インチ以下のカメの商取引が禁止されています。この禁止令によってカメが関係したサルルモネラ菌による感染が激減したそうです。

  しかし、ペット人気が高まっており、公衆衛生への影響が懸念されているようです。ヒトでは稀なサルモネラ菌による感染が数百例と増加していることが報告されています。

  は虫類からのサルモネラ菌の伝播は、セッケンを用いて徹底した手洗いと、調理区域では虫類との接触を防止することで減少可能であるそうです。獣医師、ペットショップの従業員やペットとしては虫類を飼育している人は、ヘビ、カメ、トカゲなどのは虫類からサルモネラ菌が感染することを認識するべきであるようです。(IASR 238).

  ペットの小鳥からオーム病が罹り、は虫類からサルモネラ菌がうつるようです。は虫類の排泄物にサルモネラ菌がいると考えられますから、水槽で飼育しているカメなどの場合は、水槽の水の管理にも注意した方が賢明と思われます。かわいいペットともあまり密着した関係よりは、ある程度の距離をおいた関係の方が健康的であるようです。

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