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210.生ゴミ処理機の問題点.9-15-2000.

1.生ゴミ処理機が廃棄物を排出する.

 平均的な家庭から毎日1キロから1.5キロ程度の生ゴミが排出されるようです。この程度の生ゴミは家庭用生ゴミ処理機の微生物の力で完全に形が見えなくなってしまうようです。生ゴミ処理機には、細菌を増殖させ、ゴミを分解する活性を高めるために「オガクズ」のような支持体が使われています。しかし、毎日生ゴミを投入し続けると、生ゴミ処理機内の菌床が段々と殖え、場合によっては微生物の力が弱くなるらしく、処理機の中味を園芸用の肥料として廃棄する必要があるようです。

 大型な生ゴミ処理機で生ゴミを処理している自治体や企業などでは、生ゴミ処理機で微生物により処理した1次発酵の残り粕を堆肥として農家などに使ってもらいたいと考えているようですが、1次発酵の残り粕(生肥料)はそのままでは土に返せな場合もあるのだそうです。肥料とするには、1次発酵の残り粕を更に二三週間かけて2次発酵または3次発酵させる必要があるのだそうです。

 生ゴミの排出者(家庭や企業)、生ゴミを肥料にする処理者(自治体)と肥料の使用者(農家や園芸家)とが近隣に存在しリサイクルの輪が構築される場合は問題ありません。ところが、生ゴミを徹底して回収し、自治体が微生物で処理するシステムを採用しようとする場合、例え3次発酵させて生ゴミを良質な肥料に作り変えても、引き取り手(肥料の使用者)が見つからないと、膨大な量の新たな廃棄物が発生することになりそうです。肥料が毎日生産されると、肥料として使える筈の資源を廃棄物として業者に委託して処理して貰う必要が生まれそうです。微生物の食べ残しは、微生物の力ではもはや処理できないと思われますから、焼却する以外に処理する方法はないでしょう。生ゴミ処理機は、また完成途上にあるのかも知れません。

2.業務用生ゴミ処理機はまだ買うな。

 少しショッキングな表題の冊子を読ませてもらう機会がありました。著者の「環境マーケッテンプブロデューサー」清水幸子氏は、業務用生ゴミ処理機の資料を各社から取り寄せ、不明なところは会社に問い合わせ、どのタイプの処理機がどの点で良いのかを比較検討し、その結果を使用者の目線で纏めたものです。

 生ゴミ処理機という機械は、機構や構造はそれほど違わないものとなんとなしに思っていました。この冊子を読むと、いろいろと利害得失のある幾つかの機構の異なるタイプが存在することを学びました。本体価格にかなりの差があること、維持費が意外に掛かるもの、異臭や悪臭があるもの、性能が明確でないもの、生肥料が多くでるもの、付属設備が必要なもの、かなりの重量がある大型なもの、その他価格を含めて比較した纏めが平易に記載されています。

 表記の冊子は、生ゴミ処理機の製造会社と無縁で、且つその分野の技術専門家でない立場の人からの提言ですから、中庸な意見と思います。「売るためには手段を選ばず」的な情報や企業が多いと思われる社会にあって、いっぷくの清涼剤的な存在と思います。著者の清水幸子氏は、希望者には無料で配布するそうです。しかし、この冊子は業務用についての報告なので、「法人・個人事業主の方」を対象にしたい、一般人でもどうしても読んでみたい人には対応しますと言われています。もしできるものなら、環境についてのアンケートに協力して頂けるなら幸いです。

 興味のある方は、下に記すところに連絡をとってみて下さい。できれば電子メールが良いかと思います。

 タイトル:エコビジネス時代の緊急報告@

       「業務用生ゴミ処理機はまだ買うな」、

 発行者:オフィスクリエーション、

      代表者 清水幸子、

 所在地:北九州市小倉北区馬借1丁目5−18−502、

 アドレス:creation201@hotmail.com  

 菌床に「オガクズ」を使っている処理機は、割り箸をはじめとする植物繊維(セロルース)を分解できない筈です。セラミックボールを使っているものは、フィンが折れる事故が多いようです。トウモロコシの外皮、竹の子、ワカメや昆布、寒天、酢の物、塩漬け、油ドレッシングのかかった物、焦がした肉、マグロの頭、エビやカニの甲羅、ショウガ、からし、ワサビなどの香辛料等は、大多数の微生物は食べることができません。人の食べる物である台所や厨房からの残飯であっても全てを分解することは、微生物にも難しいと思います。万能は存在しないと思います。

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