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218.航空機内での心臓発作の予防法. 10-25-2000.

航空機内では、飛行中でも乗客や乗員が酸素マスクなしで行動できるよう地上に近い気圧(0.7から0.8気圧)に保たれているようです。しかし、航空機内の低圧環境では、心拍数の増加や低酸素血症を引き起こすため、心臓病や高血圧症の患者では、失神や心臓発作が発生しやすくなると考えられているようです。ところが搭乗する前または飛行中に水分を適当量補給することで失神や心臓発作を予防できると、埼玉医科大学・心臓病センターの松村誠先生らが日本心臓病学会で発表しました。飛行機のパイロットの仲間では「とにかく水をよく飲んだほうがいい」と昔から語り継がれてきているのだそうですが、その水を摂取する効果が科学的に説明されたことになります。村松先生達の報告の概要を紹介します。

松村先生らは、次のような二つの作業仮説を実験する前にたてました。一つは、飛行中は心拍数が増加し、血圧が低下するなどの変化が生じる、これは低酸素による血管拡張や循環血液量の低下によって引き起こされる。二つ目は、飛行中の失神や心臓発作が心臓や血行の変化によるのであれば、循環血液量を増加させることにより血行を安定化させられ、発作を予防できる。

平均年齢33±6歳の健康な男性協力者12名について、12時間の絶食時と水分1リットルに相当の食物水分を摂取後30分に低圧負荷試験を行った。シミュレーションでは、高度1万フィート相当の0.69気圧に15分間維持した。絶食時では血圧と動脈血酸素飽和度が低下した。水分摂取により血圧と動脈血酸素飽和度が軽減し、心拍数と動脈血流量は増大した。また、絶食時は脳組織酸素飽和度の低下したが、水分摂取者では脳組織酸素飽和度が上昇した。

これらの結果から、搭乗前あるいは飛行中にスポーツドリンクのような電解質を飲むと、血圧低下と低酸素を軽減させられ、飛行中の失神や心臓発作の予防に有効であると結論された。ただ、糖尿病や高血圧などの病気がある人は、医師に相談してほしい」と話しています。

 

就眠中の脳血管系に起こる偶発的な事故を抑制するために、夜中にトイレに起きることを嫌がらず、「寝る前には水を飲む習慣をつけると良い」と、お医者さんたちが言います。水分を摂ることによって、血液の循環を良くするのだそうです。飛行中および就眠中は、水分が不足しないように心がけると健康に良いようです。

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