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282 ブラックバスの生食は危険.5-6-2002.

 日本寄生虫学会で秋田大学寄生虫学の吉村教授らは、オオクチバの生食による日本顎口虫の感染例を報告し、通称ブラックバスの生食は危険であると指摘しました。

   60歳の女性が農業用貯水池で捕獲されたブラックバスの刺身を食べ、2週後にお腹に紅い斑ができ、それが次第に線状に移動し長く伸びた。その2日後腹痛のためお医者さんに診てもらった。皮膚科で伸長する線状の先端を切除した。1週間後に切除部から再び伸びはじめた、薬剤を2週間投与してようやくと皮膚の斑は消退した。

   冷凍保存されていた食べ残しのブラックバスの刺身から日本顎口虫が検出された。同じ貯水池から捕獲されたブラックバス、ゲンゴロウブナとウグイを検査したところ、ゲンゴロウブナとウグイから日本顎口虫は見つからなかった。ブラックバスの筋肉、内臓と頭部から日本顎口虫が検出された。

   自然界ではドジョウ、ナマズ、ヤマメ、ウグイ、ウキゴリなどの淡水魚の感染が認められており、ドジョウとナマズは人への感染源となることが判っていた。今回日本顎口虫の人への感染源としてブラックバスが初めて確認された。ブラックバスの生食はきわめて危険であると、吉村教授は警告しています。

   回虫などの寄生虫による病気は昔ほど多くはないのでしょうが、「ゲテモノ食い」で寄生虫による病気になることを前に紹介しました。寄生虫の幼虫はヒトの体内を移動し、その移動痕が線状に伸長するようです。幼虫が成虫にまでは成長しない場合もあり、診断がつけにくいことが多いと聞いています。  

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