英国に変異型ヤコブ病患者が多数存在

１９９５年から１９９９年の５年間に集められた１２,６７４例の扁桃と虫垂の組織を分析した結果、３例が変異型クロイツフェルト・ヤコブ病に罹っていることが判明した。この数値から推測すると英国には４，０００例近くが変異型ヤコブ病に罹っている潜在的な患者がいる可能性がうかがえる、と英国プリマスのデリフォード病院のヒルトン博士が発表した（ＭＴ６．２４．２００４）。

２００６年には、英国の健康保険機関が１０万例の扁桃サンプルを用いた分析を完了する予定で、変異型ヤコブ病の新たな犠牲者が検出されるかがこの調査によって明らかになると見られる。

ヤコブ病は遺伝子の型によって発症するまでの期間に大きな差があります。扁桃などに異常なマーカーが見られても、発病には至らないケースが多々ありえるようです。変異型ヤコブ病は、発病までの期間が短い場合には、若い人にも発症する患者がでるのが一つの特徴のようです。扁桃は、リンパ組織の一つですから、プリオンの集積する場所となるのかもしれません。オーラルセックスからも感染を受けやすい組織のようで、ヒトパピローマウイルスも検出されることを前に紹介しました。