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387. 自衛隊員の迷彩服についての疑問.3-8-2005.
 
緑色の迷彩服は自衛隊だけ
ある若い人との対話に出てきた話題のひとつです。「緑色の迷彩服を着用させられてイラクで活動している自衛隊の隊員がかわいそうだ」というのです。世相に鈍い私は、最初はその真意が図りかねていました。なぜ緑色の迷彩服を着用しているのが可哀そうなでしょう、多国籍軍の兵士の迷彩服よりキレイに見えると思っていたからです。
迷彩服は、作業着ではない、敵からの攻撃を避けるために着用している軍事目的の衣服なので迷彩服と言うのだと説明してくれました。草原や森林で身をかくすのであれば、いまイラクで活躍している自衛隊員の緑色の迷彩服でもよい。しかし、イラクで作戦を展開している諸外国の軍隊で緑色の迷彩服を兵士に着用させているのを見たことがありますか。この時からイラクで活躍している自衛隊員や帰国した隊員たちをテレビで見るたびに、なるほど米国や英国の兵士達が着用している迷彩服とは違うのに気がつきました。
迷彩とは、敵の目をごまかすために、航空機・戦車・大砲・建築物・軍服などに不規則な彩色を施し、他の物と区別がつきにくいようにすること。使用例として、車両に迷彩を施す、または迷彩服など」とある国語辞典には説明されていました。
 
自衛隊に砂漠型迷彩服はない?
自衛隊の本格的で大規模な海外派遣は、これまではあまり経験がなかったので、他国の軍人が着用しているような砂漠で使う迷彩服は自衛隊にはないのだろうと単純に思っていました。
「自衛隊と迷彩服」をキーワードにホームページを検索してみました。即座に2件の関連するウエッブが現れました。「自衛隊が砂漠型迷彩服 吉岡議員追及」「湾岸戦争時に調達砂漠型迷彩服で防衛庁報告」で、2002年11月20日と2年12月1日の「しんぶん赤旗」の記事の抜粋のようです。
航空自衛隊が砂漠型の迷彩服で訓練 ―十九日の参院外交防衛委員会で、日本共産党の吉岡吉典議員は、航空自衛隊の訓練で砂漠型迷彩服を採用している理由をただしました。吉岡議員は「日本には砂丘はあるが砂漠はない。砂漠型を着てイラクへでも出かけることを想定しているのか」と追及。・・・
報告によると、九一年一月、安全保障会議が湾岸危機で発生する避難民の輸送を空自輸送機で実施することを決定したため、防衛庁長官の指示で「中東の環境に適応した砂漠用の迷彩模様の服を国内で調達した」としています。・・・防衛庁の西川徹矢運用局長は「避難民救出は屋外での活動なので、周辺に溶け込んで自らを防護する必要がある」と答えました。・・・広報誌『セキュリタリアン』十一月号の写真については、九一年三月に湾岸戦争が終結したため、この迷彩服は使用されず、九五年十一月に航空自衛隊幹部候補生学校に管理がえし、訓練に使用してきたと答弁しました。≫とありました。
 
この記事の内容から判断すると、「航空自衛隊では砂漠型迷彩服を調達した、いまは航空自衛隊幹部候補生の訓練に使用している」となり、推測するに「自衛隊員に着用させる砂漠型迷彩服は自衛隊にはない」となりそうです。
「イラクに派遣された自衛隊員は、戦闘地域に派遣されたのではなく、人道支援のためである、そのため敵(?)の目をごまかす必要はないので、緑色の迷彩服(森林・草原型迷彩服?)を着用させられている」のでしょうか。
とすると最初に若者の言葉を紹介したように、「自衛隊員は可哀そう」となりそうです。
 
 
2002年当時の防衛庁長官は、中東の環境に適応した砂漠用の迷彩模様の服を国内で調達しろと指示した。実際に自衛隊を派遣する段になった時の防衛庁長官は、なぜか砂漠型の迷彩服の着用を指示しなかった(?)、調達の指示もださなかった(?)。自衛隊の幹部からも砂漠型迷彩服の調達希望は出されていないのでしょうか。本当はどうなっているのでしょう。若者の「自衛隊員が可哀そう」との言葉が難しい問題の存在を知らせてくれました。

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