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416. 米国産牛肉を食べますか.12-13-2005.
 
「すき家」の見識
ある方から米国産牛肉の輸入再開の決定について、貴重な意見が寄せられました。その骨子は、次のようなものでした。ご紹介します。
≪日本国政府は、本日12日に米国産牛肉の輸入再開を正式に決定したようです。生後20ヶ月以下で、危険部位を除去した牛肉に限るとのことです。一応、調査団を送って調べるようです。
一方で、「すき家」は、独自の現地調査で、危険部位の除去が不完全、飼料規制不十分、全頭検査してないとの理由で、使わないと発表しています。本質的に、安全性の問題には、きちんと安全である事を示すデータが必要であると思います。それがない内は、それらに対する対策が必要だと思います。政府の取ったやり方は順序が逆ではないでしょうか。事前に信頼性のある調査して、安全性を確保してから輸入再開の検討をすべきだと思います。これら一連の発表を見ると、「すき家」の方が政府よりまともな気がしますが、いかがでしょうか。≫というものです。
 
そこで「すき家」のホームページhttp://www.zensho.com/を開いてみました。右側にプレスリリースという欄があり、その一番上に「米国産牛肉再開について当社の見解」という文字が読み取れました。
12月9日にゼンショーグループが掲載した社説「安全な食の提供がゼンショーの使命」が表れました。全文を紹介したいと思いましたが、画面がブロックされているようで、コピーできませんでした、そこで概略を紹介します。
一枚の画面に「危険部位の完全除去」、「飼料規制」と「BSE全頭検査」という見出しがあり、「株式会社ゼンショー 食品安全追求室」と文末に記名されていました。この意見の概要は、この存在をメールで教えてくださった方の文にある通りでした。
私たちは独自に現地調査をしてきましたが、「使いたいが使えない」のが本音です。アメリカ産牛肉をなぜ使えないかというと、現地調査の結果、現段階では、日本国民の皆様に、消費者に「安心して食べてください」と言える段階ではないという認識をもったからです。消費者の命に関わる問題だから「今は使わない」これが私たちの結論です、とあります。これは「すき家」を経営しているゼンショーの立派な見識と思います。
 
全米で大規模な人体実験が進行中
別な方から、思いもしなかった貴重な意見も寄せられました。≪日本政府は、これから安全確保および検査体制の確認に調査団を派遣するそうだが、それは無用な試みである。なぜなら「二億人の米国人が毎日米国産牛肉を食べて安全を証明している」ではないか。これを無視するのはおかしい。≫というものです。この方のメールにある考えも、日本人の意見でありましょう。
しかし、この意見に対して、「諸手を挙げて賛成」と同意を表することは私には少し難しいと感じます。かつて武部農林大臣(当時)がマスコミの前で焼肉を食べて自ら牛肉の安全を示そうとした寸劇をテレビで見ました。武部農林大臣は自分が焼肉を食べて見せるのではなく、自分のお孫さんに焼肉をたべさせたのであれば、その寸劇はもう少しインパクトがあったことでしょう。
人類史上始まって以来の大規模な人体実験が米国で今現在を行われていると仮定しても、それだから「米国産の牛肉は安全」であるとの証拠にはなりえないと思います。これから五年または二十年後に米国でなにが起こるのかを確認しないうちは、彼ら二億人が食べていて患者が一人も出てないのだから、調査をもする必要がないとは、少し暴論と思います。これから患者が出てくる可能性を完全に否定することはできないと思うからです。
米国では、広大な牧場で莫大な頭数の牛を放し飼いで飼育しているから、自然交配で子牛が広大な牧場で生まれている。そのため全頭の出生記録を明らかにすることは難しい、それで肉の色などで生後二十ヶ月以内であることを確認していると米国農務省は主張しているようです。
このことを裏返してみると、生まれてきている子牛の把握は牧場が広大すぎるので不可能だということになりますでしょうか、とすると広大すぎて目が届かない牧場のすみで野たれ死にしている病気の牛の把握や管理も不可能となりませんでしょうか。BSEで死亡している牛の数も正確には把握できていないのではと邪推することも出来るかもしれません。
 
 
米国産牛肉を買うか買わないか、食べるか食べないかは、国民一人ひとりの判断に任されています。政府が安全確保に努めたとしても、結果については全て消費者の自己責任なのです。「肉にする牛を真っ二つに裂いてから、背骨に付いている危険部位を吸い取る、周囲の肉に飛び散ったかもしれない危険因子をお湯に通して洗っているから背骨に付随する危険部位は除去されている」とは、プリオンを知らない一般人に対する説明としては通用するのかも知れません。「洗うこと」はあまり意味がないと私は考えています。
BSEに関連した文をこれまでにも曖昧模湖に掲載しています。参考までにいくつかを紹介します。興味のある方は参考にしてください。≪403. 米国で二例目のBSE391. 米国産牛肉は科学的に安全357. 米農務省の食肉安全対策についてを読んで、356. 米農務省の食肉安全対策261.日本政府の呆れた狂牛病対策、狂牛病の政府発表が判らない≫。米国のBSE対策が万全か否かは別にして、プリオン病の患者が発生しないとこを願っています。

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