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464. ドイツでもノロウイルスが猛威. 4-15-2007.
キーワード:ノロウイルス 集団感染 蔓延防止対策
 
ドイツ・ベルリン市にあるローベルト・コッホ研究所は、今年のノロウイルス感染者数がこれまでの過去の記録を更新する勢いであることをドイツの学術雑誌に報告しています(Epidemiologisches Bulletin 5:34-37, 6:49, 2007)。
 
昨年(2006年)10月から今年(2007年)1月までに、ノロウイルスによる胃腸炎感染者数は55,312例であったようです。この時期は、クリスマスから年末年始の休暇をとる人が多いことから、報告の遅れや下痢してもすぐに検査を行なうとも限らないので、この数値は氷山の一角と見られると述べています。

感染者が5例以上の集団感染も1月までに1,405例の報告があり、一週間あたりの発生件数のピークは222件(昨年は77例)であった。特に保育園、高齢者介護施設、大病院では、ノロウイルスが蔓延するリスクが高く、集団感染の90%以上はこれらの施設で報告されている。
 
 
 
ローベルト・コッホ研究所は、ノロウイルスの施設での蔓延を防止する索として次のような事柄を推奨している、
@ 感染者をトイレ付きの部屋に隔離する、
A 手洗いと手の消毒を徹底する、
B 患者の周囲と汚染地域はふき掃除と消毒を行なう、
C 患者が使用していた病室や場所は患者が退出後も72時間は使用しないことなどです。
 
個人の住宅では、家屋全体を消毒する必要はない。しかし、ノロウイルス感染者またはその家族に対して、
@ 入念な手洗いの励行、
A 浴室とトイレの充分な衛生管理
B おうと物や便により汚染されたものを掃除するときは手袋を着用する、
C 衛生用品やタオルは共用しない、
D タオル、下着、リネン類は60℃以上の温水で洗濯する、
E 高齢者や幼児が患者と接触しないように指導する、
F 症状が消えてもその後1〜2週間はウイルスが排泄されているので、トイレや手の衛生に注意するなどの対策を推奨している。
 
ノロウイルスによる急性胃腸炎の集団感染が日本国内でも突如として広がった。これまでは生カキを食することによる宴会感染が主で、ヒトからヒトの感染はあまり見られなかった。高齢者などの抵抗力の弱っている人の一部は、ノロウイルスの感染により死亡した事例も見られました。ドイツでもノロウイルスの蔓延によりノロウイルス感染者が多発しているようです。この報告をここに紹介したのは、国内の情報ではあまり見かけない予防策が推奨されていたからです。
次のような項目は、国内での感染防止策にはあまり記載されていないと思えます、例えば1) 感染者をトイレ付きの部屋に隔離する、2) 病室は患者が退出後も72時間は使用しない、3) タオル、下着、リネン類は60℃以上の温水で洗濯するなどです。


普段から家庭での洗濯で、冷水やお風呂の使った湯を使わないことが日本を除く国での習慣のようです。欧米に限らずお隣の韓国でも洗濯には、熱いお湯を使うと聞きました。
外国人からすると日本人家庭での洗濯は非衛生的に見えるようです。皆さんはどのように感じられますか。いつまでも健康でありたいものです。

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