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489. クラミジア感染が不妊の原因. 3-14-2008.
キーワード:クラミジア感染、性感染症、無症状、不妊
 
フライブルグにあるAlbert Ludwig大学の婦人科学のA. Clad講師は、「梅毒やリン病と異なり、性器クラミジア感染症(STD)の有病率は1970年代以降、高水準を維持している」、「このことが、ドイツ国内だけで10万人以上の女性の不妊につながっている」という情報を学術雑誌に発表した(Hautarzt 58:13−17,2007)。
 
約70%が無症状で経過
トラコーマ・クラミジアChlamydia trachomatisの感染は、ドイツ国民の約5%に認められる。この病原体は、性行為を介して感染が拡大するため、感染率は20歳未満の若年層で高い。女性の場合、クラミジア感染による両側卵管閉塞が、不妊の原因として突出して高くなっています。
 
C. trachomatisは、円柱上皮の細胞のみを侵すため、女性の場合には尿道、子宮頸管、子宮内膜、卵管、腹膜などが侵される。適切な治療を行わないと、クラミジア感染は女性の泌尿生殖器で平均2年間は持続すると言われています。
 
しかしながら、その多くは無症状性で、帯下の増加を伴う子宮頸管炎や子宮内膜炎などの症状が現れるのは約30%にすぎません。症状の有無にかかわらず、性器クラミジア感染症の女性の約10%は不妊につながります。
 
男性のクラミジア感染症でも、その大半は無症状である。感染後約2週間の潜伏期を経て透明または化膿性の分泌物が尿道から排出され、排尿時に灼熱感を伴うことが多い。
 
検査としては、病原体のPCR法による検出が最も優れている。治療は、塩酸ドキシサイクリンやアジスロマイシン水和物などの優れた抗菌薬を投与する必要がある。原則として、パートナーに対しても同時に治療を実施すべきである。
 
性感染症は、性行為を介して感染が伝達されます。そのうえクラミジアの感染はほとんどが無症候性ですから、自分が感染していることに気がつかない場合があります。性活動が活発な20歳代の若者の場合は、性に関する知識が充分でないと、パートナーに感染を伝達してしまいます。女性の場合は男性より深刻で不妊になってしまうことが多いのです。そのような意味を理解してもらって、今回のドイツからの情報を無駄にしないでほしいと願っています。

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