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522. 宇宙飛行士の骨強度が低下. 5-1-2009.
キーワード:宇宙飛行士、宇宙ステーション、宇宙滞在、骨強度減退
 
米カリフォルニア大学の整形外科医のJoyce Keyak教授らは、国際宇宙ステーションに4〜6か月間滞在した宇宙飛行士を対象とした調査研究から、骨の強度が極端に低下しているとの結果を発表した(Bone 44: 449-453,2009)。
 
宇宙飛行が可能になってから、研究者らは宇宙環境が骨を脆弱にする原因を研究してきた。これまでの研究では、骨密度を調べていたが、今回の調査研究では初めて具体的に骨の強度を測定した。
 
J. Keyak教授らは、骨粗しょう症患者の大腿骨頸部骨折リスクを測定するたに開発されたコンピュータープログラムを用いて国際宇宙ステーションの男性12人と女性1人の乗組員の大腿骨頸部のCT画像を分析した。
 
その結果、大腿骨頸部の強度が平均で14%低下し、このうち3人では20〜30%もの低下を示した。この数値は、高齢女性の骨粗しょう症にみられる骨強度の低下に匹敵する。
 
骨の強度は、ステーションに1か月滞在するとごとに0.6〜5.0%も低下した。この数値は、同じように骨強度を測定した研究の過去の報告(0.4〜1.8%)よりも著しく大きかった。J. Keyak教授らは、今後予防策を講じなければ、宇宙ステーションでの任務を終了した後数10年で加齢による骨折リスクが高まるだろうと警鐘を鳴らしている。
 
 
旧ソ連の宇宙船スプートニックの有人飛行で宇宙に数カ月滞在した宇宙飛行士が地上に帰還した際、足腰の筋肉が弱っていて歩けないより立ち上がれなかった話は有名になりました。また今現在宇宙空間では、スペースシャトル「アトランティス」の宇宙飛行士7人がハッブル宇宙望遠鏡の修理作業のために第1回目に7時間を超える船外活動でハッブル宇宙望遠鏡からカメラとコンピューターを取り換える宇宙空間での作業を行った。今回の修理は、5日間連続の船外活動で、計37時間にも及んだとのこと。このミッションでも足腰の骨や腕の一部を除いてほとんどの筋肉に重力がかかっていないのです。宇宙船ないにおいてもしかり同じです。国際宇宙ステーションでは、若田飛行士が宇宙空間での身体への影響を自身の身体を呈して行っている。地上ではできない実験であるので、ある意味では人体実験類似の調査も仕方がないのでしょう。

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