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529. ブロッコリーは喘息など有効.7-10-09.
キーワード:ブロッコリー、抗酸化物質、アレルギー、喘息
 
カリフォルニア大学ロスアンゼルス校の臨床免疫学Marc Riedl准教授らは、アブラナ科野菜のブロッコリーなどに呼吸器疾患を予防できる可能性について発表した(Oral sulforaphane increases Phase II antioxidant enzymes in the human upper airway. Clinical Immunology 130: 244-251, 2009)。
ブロッコリー・スプラウトに豊富に含まれている成分の「スルフォラファン」には、抗酸化物質の生産を活発にする働きがあるとみられています。抗酸化物質とは、体内に蓄積した有害な活性酸素を除去する働きのある物質のことです。最近になって、スルフォラファンがピロリ菌による胃炎の症状を改善することも報告されていようです。
 
 
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ブロッコリー・スプラウトとは、ブロッコリーの新芽のことで、生育したブロッコリーよりもスルフォラファンの量を20〜50倍も多く含有しています。主な成分は、においや辛味、苦味のもととなる硫黄化合物の一種であるスルフォラファンをはじめ、ビタミンA・B2・Cなどで、発芽3日目のブロッコリーの新芽が使われます。
活性酸素は、酸化によって組織の損傷を引き起こし、呼吸器疾患と喘息などの炎症につながります。Riedl准教授らは、65例のボランティアに、さまざまなブロッコリー・スプラウトまたはアルファルハァ・スプラウトを3日間経口摂取させました。ブロッコリー・スプラウトは天然のスルホラフェンを最も豊富に含む食材で、この化合物を含まないアルファルハァ・スプラウトを実験対照(プラセボ)として用いました。試験の開始時と終了時に収集した鼻腔のすすぎ液から、上気道細胞内における抗酸化酵素の遺伝子発現を調べました。
その結果、プラセボ群と比較して、ブロッコリー・スプラウトを100グラム以上摂取した群では、抗酸化酵素の有意な増加が認められました。ブロッコリー・スプラウトを最大200グラム摂取した群は、抗酸化酵素GSTP1 (glutathione-s-transferase P1)が101%増加し、もう一つの酵素NQO1(NADPH quinone oxidoreductase)が199%も増加しました。
Riedl准教授らは、ブロッコリー・スプラウトを摂取した群の鼻道では、抗酸化酵素が2倍〜3倍に増えていた。この戦略は炎症反応を予防し、さまざまな呼吸器疾患の治療法につながる可能性があると説明しています。
スルホラフェンの主な長所は、ほとんど無害でさまざまな抗酸化酵素の増加をもたらすことで、このことは大気汚染の悪影響に対するスルホラフェンの有効性を高めるであろうと述べています。
 
ブロッコリーの種にはスルホラフェンが大量に含まれている珍しい食材であるらしい。種から芽がでてブロッコリーとして成長するにつれて、なぜかスルホラフェンの濃度は低くなるらしい。種で食べれば濃度的には最高なのだが摂取しにくいので、発芽して3日目のスブラウトを食べるといいらしい。今回の論文では若芽スブラウトを液状にして飲ませたようです。呼吸器系の疾患に有効らしいので、種を購入してお試しあれ。

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