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546. パイプや葉巻で肺疾患のリスク2倍.5-21-10.
キーワード:葉巻・パイプの喫煙者、慢性閉塞性肺疾患、肺機能異常、コチニン値
 
 コロンビア大学疫学科のGraham Barr准教授らは、パイプや葉巻の使用者では非使用者と比べ慢性閉塞性肺疾患の一因となる肺機能異常を示すリスクが2倍高く、喫煙歴を有する場合はリスクが3倍以上になるとの研究成果を発表した(Tobacco Smoke by Any Other Name Is Still as Deadly Ann Intern Med. 152:201-210, 2010)。
 
 Barr准教授らは、48〜90歳の3,528例を対象に呼吸検査を行い、喫煙歴について調査した。また葉巻またはパイプの使用歴は肺機能と比較した。対象者のうち56例はパイプまたは葉巻のどちらかを、428例はパイプまたは葉巻とタバコを併用し、1,424例はタバコのみを吸っていた。
 
 検討の結果、パイプまたは葉巻の使用者では喫煙歴の有無にかかわらず、喫煙歴のない参加者に比べて肺機能の低下および気道閉塞に対する増加が認められた。これらのパイプまたは葉巻の使用者では、ニコチンが体内で代謝されてできるコチニン値が典型的な喫煙者よりは低いが、非喫煙者と比べ高かった。
 
 Barr准教授らは、パイプや葉巻の長期の使用は肺に損傷を与え、慢性閉塞性肺疾患の危険因子となる。医師はパイプや葉巻は慢性閉塞性肺疾患の危険因子
と考えるべきで、過去の喫煙歴の有無にかかわらず、患者と喫煙について話し合うべきである。タバコと同様に、パイプや葉巻は慢性閉塞性肺疾患、心疾患、肺ガン、口腔と咽頭のガンとも相関が認められると説明すべきであると述べている。
 
 いかなる名目であれ喫煙は現在も死を招くことはあきらかである。長期間の喫煙では、心疾患、肺ガン、口腔と咽頭のガンの原因となり、特に間質性肺炎や肺線維症などの慢性閉塞性肺疾患を引き起こし、呼吸困難の原因となる。
 

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