◆青かび [Blue mold (mould)]

 青かびは一般的な呼び名で、分類上では真菌の中の不完全菌類に含まれるペニシリウム属のペニシリウム・ノタトウム(Penicillium notatum)などの数菌種を指す。一般には湿気の多い土壌、空気中、室内など空気と有機物が多いところに生息し、しばしば、餅、パン、麺類、みかんなどに生える最も身近な青色のかびである。ペニシリウム属のかびは黒かびや麹かびなどのアスペルギルス属に類似しているが、青かびから最初の抗生物質であるペニシリンが発見されたことでもよく知られている。
一方、青かびは果実や野菜の青かび病菌として知られている。リンゴやナシではペニシリウム・エクスパンサム(P.expansum)、ミカンではペニシリウム・イタリカム(P.italicum)、サツマイモ、ヤマイモ、タマネギ、ニンニクではペニシリウム・グラジオリ(P.gladioli)などが病原菌である。なお、ペニシリウム属には青かび以外に黄変米の原因かびとしてペニシリウム・イスランジカム(P.islandicum)などもある。このかびは肝臓障害をおこすイスランジトキシン(islanditoxin)などの真菌毒素(かび毒)を産生する。

関連 植物病原菌
関連 真菌
関連 不完全菌類
関連 ペニシリウム属
関連 黒かび
関連 麹かび
関連 アスペルギルス属
関連 抗生物質
関連 ペニシリン
関連 真菌毒素