◆アルカロイド [Alkaloid]

 植物、渦鞭毛藻類あるいは真菌などに含まれる塩基性の窒素を含む有機化合物で植物塩基ともいう。少量でヒトをはじめ動物に特異な生理作用を示し、その多くは有毒であるが医薬品として有用な物質も多い。最初、阿片(あへん)からモルヒネが単離されて(1805年)以来、ホミカのストリキニーネ、トリカブトのアコニチン、ベラドンナのアトロピンなど、現在約2,500種のアルカロイドが知られている。化学構造は多様で、アミノ酸から生合成されることが明らかにされつつある。多くは高等植物(有毒・薬用植物)に含まれているが、麦角菌などのような真菌にも含まれ、最近、海洋の渦鞭毛藻が産生する麻痺性貝毒の1種サキシトキシンもアルカロイドであることが確認されている。植物体中ではシュウ酸、リンゴ酸、クエン酸などの有機酸として存在している。

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