◆ペプチドグリカン [Peptide-glycan]

 一般細菌の細胞壁のみに存在し、多糖とペプチド(数個のアミノ酸)から成る特有の構成体である。基本的にはN-アセチルグルコサミンと乳酸が結合したムラミン酸と別のN-アセチルグルコサミンが結合して、長い多糖の鎖になった部分をグリカン部分といい、そのグリカン部分(ムラミン酸)にアラニン、グルタミン酸、ジアミノピメリン酸(またはリジン)およびアラニンが順次結合し、となりの同じアミノ酸の鎖との間を5ケのグリシンが架橋状につながって、網目のような構造になっている。このアミノ酸の結合部分をペプチドというので、全体としてペプチドグリカン層とよばれている。
グラム陽性菌ではこのペプチドグリカン層が厚く、その内側にタイコ酸層があって、強固な細胞壁をつくっている。これに対して、グラム陰性菌の細胞壁はペピチドグリカン層は比較的薄いが、その外側はリポタンパク質層とリポ多糖層で被われている。

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