◆人喰いバクテリア(キラー・バクテリア) [Killer bacteria]

 1994年、イギリスを中心にヨーロッパで急激に手や足の壊死が進行し、手や足を切断しても結局ショックや多臓器不全等で死亡する病気が流行ました。病気の進行が早く、致死率が高いことから、この病気を起こす細菌はキラー・バクテリアと呼ぶれました。この細菌の感染による病気は、正式には劇症型A群溶血性レンサ球菌感染症又は毒素性ショック症候群(Toxic shock syndrome)とも呼ばれます。原因となる細菌は、グラム陽性通性嫌気性球菌であるレンサ球菌の中のA群に属する化膿レンサ球菌です。この細菌自体は多くの化学療法剤に感受性があるので、早期に診断がつけば化学療法剤や免疫グロブリンの投与と壊死組織の切除による治療は容易であるが、診断が遅れると治療は困難とる。
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