◆百日咳菌毒素 [Bordetella pertussis toxins]

 百日咳菌が産生する細胞障害や致死作用を現す細菌毒素である。
     (1)白血球とくにリンパ球を著しく増加させる白血球増多因子
     (2)ヒスタミンやセロトニンなどの生体アミンに対する感受性を著しく増強させるヒスタミン増感因子
     (3)膵臓からのインシュリンの分泌を促進させ、末梢血中のインシュリン量を高めるインシュリン分泌活性化タンパク質
     (4)熱にきわめて弱く、出血や壊死をおこす易熱性毒素 (以上はタンパク質)
     (5)上皮細胞のDNAを阻害する糖ペプチドの気管上皮細胞毒素
     (6)内毒素として菌体表面のリポ多糖 などが知られている。
 この内、(1),(2) ,(3)は同じタンパク質と考えられるので、これらは百日咳毒素とよばれることがある。

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