[Halocrusticida parasitica,
H.okinawaensis,H.panulirata,H.awabi]
ハロクラスチシダ症は浜名湖のノコギリガザミの卵に初めて認められた真菌病(かび病)で、その後、この病気がガザミのほか種々の甲殻類にも発生し、原因菌は当初、アトキンシエラ属とされたが、多くの性質の違いから新属としてハロクラスチシダ属とされてこの病名となった。症状はラゲニジウム症と同様に体の一部や鰓(えら)が黒くなり、体内でかびが発育する。アワビから分離された原因菌はハロクラスチダ・アワビ(H.awabi)であるが、標記の4種のかびはいずれもハロクラスチダ症の原因となる。原因かびは栄養体が菌糸にならず、嚢状になることと、遊走子嚢でつくられる放出管が分岐していることが特徴である。この真菌症の予防・治療法はラゲニジウム症やハリフトリス症の場合と同様にホルマリン処理が有効である。