◆魚類のオクロコニス症菌 [Ochroconis tshawytschae,O.humicola]
オクロコニス症はアメリカではサケ科魚類の真菌病(かび病)として古くから知られ、標記の前者のかびがマスノスケから、後者のかびがギンザケ、ニジマスから分離された。日本ではヤマメに前者のかびがシマアジ、マダイ、カサゴに、後者のかびが原因した病気が発生したが感染源がまだ判っていない。
症状はヤマメの場合、体表に潰瘍ができて腹部が脹くれる。また、腎臓が腫れてそこに発育した菌糸がみられる。また、海産魚では背鰭(せびれ)や体側に潰瘍ができ、筋肉や腎臓に菌糸が発育する。この病気の有効な治療法はないので、早めに病魚を除いて蔓延を防ぐことである。原因菌は不完全菌類に分類される黒色真菌である。標記の2種の病原菌ともに卵形または円筒形の分生子をつくる。