◆魚類のデルモシスチジウム症菌 [Dermocystidium anguillae]

 デルモシスチジウム症は最初、ドイツでヨーロッパ・ウナギの稚幼魚に発生する真菌病(かび病)として報告されたが、ニホン・ウナギでの発生はない。一般に6-7月頃に多くみられ、鰓(えら)に原因菌が発育した栄養体ができ、その大きさや数が多い場合は鰓蓋(えらぶた)が腫れて、しばしば衰弱死する。処置としては飼育水温を約30℃に上げ、かびの菌糸を崩壊させる。原因菌の栄養体(0.5-1.5×1.5-4.0μm)はソーセージ型、西洋梨型、腎臓型などがあり、胞子(径7.0-9.0μm)と球状の封入体(径5.0-6.0μm)がつくられる。現在このかびは培養ができず、その生活史も不明で分類も明確ではない。

関連 封入体