◆魚類の内臓真菌症菌 [Saprolegnia diclina]

 内臓真菌症は鞭毛菌類(以前は藻菌類の1群)の中の卵菌類、ミズカビ科、サプロレグニア属の1種がサケ科魚類の体内、とくに内臓で発育することでおきる病気である。多くはアメリカでの発生例がある。わが国では近年になって淡水性のサケ科魚類(ニジマス、ヤマメ、アマゴ)の稚魚に発生するようになった。病魚は泳ぎが困難になって横転してやがて死ぬ。
症状の特徴は全体に褪色し、腹部(胃)が膨張して腹腔内でかびが増殖する。初め胃から感染し、腎臓、肝臓などへ菌糸が伸びる場合と、鰓(えら)から感染して臓器へ広がる場合もある。死亡率は10-20%であるが現在のところ治療法はない。原因菌の形や性質は水かび病菌とほぼ同じである。

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