◆甲殻類の感染症 [Infectious diseases of the Crustacea]

 感染症が知られている甲殻類はほとんどが養殖されているクルマエビ、ロブスター、カニ、ガザミなどであるが、ホッコクアカエビ、トヤマエビ、ホッカイエビ、ザリガニなど天然の甲殻類にも感染症の発生が報告されている。これらの甲殻類には種々の細菌性、真菌性、原虫性およびウイルス性感染症が知られ、わが国のみならず欧米や東南アジアの養殖業にかなりの被害をもたらしている。その中で最も重要な病気はわが国で養殖が盛んなクルマエビの細菌病であるビブリオ病やウイルス病の中腸腺壊死症と急性ウイルス血症である。また、欧米では以前からガフケミアとよばれる蓄養ロブスターの細菌病が知られている。
甲殻類の細菌病には上記のほかにエビ・カニ類の甲羅が冒される殻病、鰓(えら)着生菌症などがある。真菌病の原因菌としてはエビやガザミ類のラゲニジウム症とハロクラスチダ症、クルマエビのフサリウム症、ヨーロッパ・ザリガニのアファノミセス症がある。また、欧米ではエビ・カニ類の寄生原虫として、肉質鞭毛虫類のヘマトジニウム、パラモェーバ、鞭毛虫類のパラノフィスなどが知られている。
ウイルス病としては上記のようなクルマエビの中腸腺壊死(えし)症と急性ウイルス血症がよく研究されている。

関連 エビのビブリオ病菌
関連 ロブスターのガフケミア菌
関連 甲殻類の殻病菌
関連 エビの鰓(えら)着生菌
関連 エビ、エビ、ガザミ類のラゲニジウム症菌
関連 エビ、ガザミ類のハリフトロス症菌
関連 エビ、ガザミ類のハロクラスチダ症菌
関連 クルマエビのフサリウム症菌
関連 ヨーロッパ・ザリガニのアファノマイセス症菌
関連 エビ、カニ類の病原原虫
関連 クルマエビの中腸腺壊死症ウイルス
関連 クルマエビの急性ウイルス血症ウイルス
関連 肉質鞭毛虫類
関連 鞭毛虫類