◆甲殻類の病原細菌 [Pathogenic bacteria of the Crustacea]

 おもにエビ、ロブスターおよびカニ類の病気とそれらの原因細菌が知られている。その中で世界的にも最も重要な甲殻類の細菌性疾病はエビのビブリオ病で、その原因菌として8種のビブリオ属細菌が報告された。とくにわが国では1980年頃から西日本各地でクルマエビに大きな被害がでている。その原因菌は最近(1995年)、エビの学名から命名されたビブリオ・ペネイシダ(Vibrio penaeicida)である。欧米ではとくにロブスターのガフケミア菌とよばれる病原細菌が知られている。この病原細菌は四連球菌のエロコッカス・ビリダンス・ホマリ(Aerococcus viridans var.homari)である。そのほかにエビ、カニ類の甲羅が冒される殻病菌バチルス・キチノボラス(Bacillus chitinovorus)やエビの鰓(えら)着生菌ロイコノストック・ムコール(Leuconostoc mucor)がある。

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