◆紅藻・藍藻の色素 [Pigments of red and blue-green algae]

 紅藻、クリプト藻および藍藻(藍菌)に含まれる色素タンパク質で、フィコエリトリン(藻紅素: phycoerythrin)とフィコシアニン(藻藍素: phycocyanin)がある。これらの色素部分はフィコビリンとよばれ、前者ではフィコエリトロビリン、後者ではフィコシアノビリンという。紅藻や藍藻ではフィコビリゾーム (phycobilisome)という細胞内器官に存在して、光合成のエネルギーを葉緑素クロロフィル aへ伝達する役割をもっている。
なお、下痢性貝毒の原因となるディノフィシス属の渦鞭毛藻は本来、これらの色素をもっていないが、それが検出されることから、この渦鞭毛藻は藍藻など他の微生物を藻体内へ取りこんでいる可能性が示されている。また、ノリの緑斑病菌はノリに含まれるフィコエリトリンを消失させることが知られている。

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