◆グロブリン [Globulin]

 血漿(血液の血球以外の部分)やその他の体液中に含まれているタンパク質の1群で、血漿ではタンパク質の約60%を占めている。残りはアルブミン(albumin)が約40%で、そのほかはフィブリノーゲン(fibrinogen)などである。グロブリンは電気泳動的にα-(α1,α2)、β-、γ-グロブリンに分けられ、いずれも糖タンパク質であるが単一の成分ではない。
生体防御の仕組みの内、液性免疫に関係する抗体はγ-グロブリン画分である。抗体とそれに構造や機能上関連があるタンパク質を免疫グロブリン(immunoglobulin)という。免疫グロブリンには正常のγ-グロブリンをはじめ、骨髄腫タンパク質、β2-ミクログロブリン(microglobulin)などもある。免疫グロブリンは円口類(ヤツメウナギなど)や魚類から哺乳類まで全ての脊椎動物の体液中に存在し、リンパ系細胞によってつくられる。これらは物理・化学的あるいは免疫学的には一般にIgG,IgM,IgA,IgD,IgEの5種類があるが、下等脊椎動物では未分化でIgMが主体である。それらの基本構造は分子量が大きいH鎖(5-7万)と分子量がより小さいL鎖(2.3万)から成っている。

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