◆麻痺性貝毒原因藍藻
   [Paralytic shellfish poisoning blue-green algae]

 麻痺性貝毒はアファニゾメノンの1種(Aphanizomenon fros-aquae)、アナベナの1種(Anabaena circinalis)、リングバの1種(Lyngbva wollei)の3種の藍藻(藍色細菌)が産生することが知られている。これらはいずれもトリコームとよばれる群体をつくり、淡水性で湖沼や貯水池で大量発生することがある。中毒の被害はアメリカ、オーストラリアなどでおこっており、水を飲んだ家畜や野生動物の斃死(へいし)が報告されている。貝類が毒化した事例はないが、アファニゾメノンを用いた飼育実験によって二枚貝が毒化することが認められている。今のところわが国では貝毒をもっている有毒藍藻が存在することは報告されておらず被害もおきていない。上記の3種の毒成分の誘導体は相互に特徴的であり、有毒渦鞭毛藻にみられない誘導体をもつ藍藻もある。

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