◆レクチン [Lectin(s)]
最初、ヒマの実の抽出液が種々の動物血球を凝集することがみいだされ、その後、多数の植物種子から血球凝集素が発見された。それ以来、種々の動物の体液や組織、細菌などから糖に結合するタンパク質あるいは糖タンパク質が単離された。したがって、動植物や微生物にみいだされる免疫学的な産物ではない糖と特異的に結合するタンパク質で、細胞を凝集させたり、糖質を沈降させる物質がレクチンとよばれる。種々のマメ類、ウナギの血清、カブトガニのリンパ液などからレクチンが得られているが、タチナタマメから得られたコンカナバリン Aは生化学的研究に、カブトガニのレクチンは細菌の菌体内毒素の検定に用いられるなど、レクチンは生化学、細菌学、免疫学などの研究に広い応用面をもっている。