◆サイトファーガ(属) [Cytophaga]

 滑走細菌の中の子実体をつくらないサイトファーガ(シトファーガ)科の1属である。一般には陸上や海水中に生息しているが、病原菌としてはまれな魚類のカラムナリス病菌(Cytophaga columnaris)は重要である。また、魚類の冷水病菌(C.psychrophila)や低水温性滑走細菌症菌(Cytophaga sp.)なども知られている。また、アメリカやヨーロッパでサケ科魚類に感染して細菌性鰓(えら)病(フラボバクテリウムによる鰓病とは別)をおこす数種のサイトファーガ属細菌(その他の魚類病原菌)もある。サイトファーガ属の細菌はグラム陰性の好気性菌で、黄色色素(カロテノイド)をもつ比較的長い桿菌(0.3-0.8×1.5-15μm)である。サイトファーガ科のフレキシバクター属の細菌と同様に細胞をくねらせる屈曲運動をして、固体の表面上をゆっくり滑走することが特徴である。また、この属の細菌にはタンパク質あるいはセルロースや他の細菌を溶かす酵素(プロテアーゼ、セルラーゼ、溶菌酵素など)をもっているものもある。

関連 魚類のカラムナリス病菌
関連 魚類の冷水病菌
関連 魚類の低水温性滑走細菌症菌
関連 サケ科魚類
関連 その他の魚類病原細菌
関連 グラム陰性
関連 好気性菌
関連 カロテノイド
関連 フレキシバクター属
関連 タンパク質
関連 酵素