◆セラチア菌[Serratia marcescens]

 別名“霊菌”と呼ばれる細菌でイタリアの著名な物理学者のセラッチに因んで命名された。グラム陰性の通性嫌気性桿菌で腸内細菌科の一つである。周毛を持つ運動性の小桿菌で、細菌の中では最も小さいほうに属する。環境中にもいる雑菌の一つで、以前は臨床分離株の多くが赤色や橙色の色素を産生したが、現在は色素を産生する株は半数位に減少している。ペニシリンを始め多くの化学療法剤に抵抗性を持つので、菌交代症などの院内感染を起こすと化学療法剤による治療が困難な為に、注意を要する。