◆セレウス菌[Bacillus cereus]

 グラム陽性の桿菌で芽胞を形成する。炭疽菌や枯草菌と同じバチラス属に分類される細菌で、好気的にも嫌気的にも増殖できる。自然界に分布する大型の桿菌で運動性があり、10〜48℃と広い温度で増殖できる細菌である。普通寒天培地などでも容易に増殖し、比較的偏平で大きなラフ型の灰白色から暗灰白色の集落を作る。
この菌は食中毒原因菌として指定されており、下痢原性腸管毒素と嘔吐原性腸管毒素の2種類の外毒素を産生する。下痢と腹痛が主な症状で潜伏期間が約12時間の下痢型食中毒と、嘔吐・吐き気を主症状とする潜伏期間が1〜5時間の嘔吐型食中毒を起こす。