◆接合菌類 [Zygomycetes]

 真菌の中の1群で、かつては菌糸に隔膜をもたない藻菌類に含められていたが、近年、この藻菌類は胞子をつくり鞭毛で遊走する鞭毛菌類と、二つの配偶子が接合する有性生殖によって、鞭毛をもたない厚い壁に覆われた接合胞子をつくる接合菌類とに分けられるようになった。一般に多くの接合菌類の栄養菌糸は隔膜がないか発達しない貧弱な菌糸体であるが、中には隔膜で分節した菌体が離れて分節菌体になるものもある。現在、合菌類はケカビ目やハエカビ目を含む接合菌綱と、ハルペラ目やアセラリア目などを含むトリコミケテス綱に分けられている。節足動物の体表や消化管内で片利共生したり、腐生生活や動植物やほかの菌類に寄生するものもある。ケカビ目、ケカビ科のクモノスカビ(リゾップス属)は古くなったパンや果物の表面に蜘の巣のような菌糸を伸ばすかびである。

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