◆T細胞 [T cell(s)]

 T リンパ球ともいわれる細胞性の免疫に働く重要な細胞の1種である。動物(脊椎動物)には外から侵入する異物に対して自身を守る免疫とよばれる仕組みが備わっている。その免疫には抗原に対する抗体が血液やリンパ液などの体液中にできる体液性免疫とよばれる仕組みのほかに、骨髄、胸腺、脾臓、血液、リンパ節などに存在するある種のリンパ球が働く細胞性免疫とよばれる仕組みがある。リンパ球には骨髄でできるB細胞(Bリンパ球)と胸腺でできるT 細胞(T リンパ球)の2種類がある。B細胞は体液性免疫に、T 細胞は細胞性免疫に働く。すなわち、B 細胞は抗原が浸入すると抗体をつくる細胞へ分化して増殖し、抗体を分泌するようになる。その抗体は再び侵入する抗原と結合して抗原の働きをなくする抗原-抗体反応の主役である。 一方、T細胞は抗原、とくに宿主の細胞と違う構造をもった抗原細胞が侵入すると活性化され、抗原細胞と結合してその細胞を破壊する細胞性免疫の主役である。

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