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154.水道水のトリハロメタンが死産に関連?81099.

  1. 水道水中の塩素の功罪.

 「143.健康をおびやかす健康食品」の中で、「水道水の塩素による殺菌力を活用して、野菜や果物は濾過をしない水道水に漬けおきして食べましょう」と水道水の効用を書きました。ところが、私が書いたこの文を読んだ方々から、生(未処理)の水道水の活用を推奨した文に対して批判的な意見を頂きました。「水道水にする原水中の細菌を消毒するのに塩素は有効としても、塩素の酸化力は強いので野菜や果物に含まれるビタミンなどの有効成分を破壊する、末端では浄水機で濾過して塩素を除いた水道水を使用すべき」との意見でした。

 「塩素はビタミンを破壊します」と言われると、「塩素による水の消毒は塩素の酸化力による」のですから、私は「なるほど」と思いました。また更に、缶入り緑茶では抗酸化剤としてビタミンCを添加していると聞きましたし、またトコフェロールは活性酸素を消去する能力が極めて強いとも聞いたことがあります。それですから、寄せられた反対意見に対して、反論する積もりは毛頭ありませんし、また反対する根拠も持ち合わせていません。

 しかし、水道水中に検出される程度の塩素イオン0.1ppm (地域や建物によっても異なります)が野菜や果物の細胞内に浸透し、細胞内に存在するビタミンを破壊することを示す成績は公表されているのでしょうか。もし短時間(どなたか知っている人がいましたら教えてください)でビタミンなどが破壊されるとすると、水道水の塩素による処理法は検討し直す必要があるのかも知れません。このように言うのは、次ぎに紹介するような話題もあるからです。

A.水道水の塩素処理副産物が死産に関連?.

 「妊婦に対して濾過していない水道水を飲まないように指導することを考慮すべき」との主旨の論文が見つかりましたので、ここでは、水道水の塩素処理の功罪の罪について取り上げます。

 カナダの大学の先生方が疫学という学術雑誌(Epidemiology,10:233)に「高濃度の塩素を用いて処理した水道水中に含まれる塩素処理副産物で死産のリスクが高まる可能性がある」と発表しました。

 米国のほとんどの浄水場では、1908年以来貯水を塩素で処理して病原微生物を殺菌してきた。ところがカリフォルニアの科学者らが、この処理過程で生じるトリハロメタンと流産の増加との関連を以前指摘したのだそうです。

 この米国の報告をもとに、カナダの科学者達がカナダのある州の5万人を超える妊婦の記録を調べ、約16%の妊婦は飲料水中に含まれるトリハロメタンがカナダの許容濃度(リットル当たり100マイクログラム)を超える地域に住んでいること、またトリハロメタンの濃度が高い地域に住んでいる女性は、リットル当たり50マイクログラム未満とトリハロメタン濃度が低い地域の女性よりも死産のリスクが66%も高いことを発見したのでした。

 カナダの科学者達は、「トリハロメタンと死産との関係が明らか」になったが、「トリハロメタンと低出生体重、先天異常児または未熟児との関連を示す証拠は認められなかった」、そのため「水道水の殺菌による恩恵は、いかなるリスクよりもはるかに上回る」とした上で、「今回の結果から妊婦に勧告を与えるのは時期尚早だと考えている」とも述べています。

 トリハロメタン濃度は、浄水場で添加される塩素が増える夏期に最大となるようです。そこで、トリハロメタンがどうしても気になる人は、「水道水を一晩冷蔵庫におけば揮発性の化学物質は抜ける、活性炭のフィルターでも化学物質を除去できる」と付け加えています。

 米環境保護局によると、殺菌過程における高濃度の副産物が健康に有害であるとする証拠はこの10年間で増えてきている。そのため米国における飲料水のトリハロメタンの最大許容量をリットル当たり100マイクログラムから80マイクログラムへ引き下げたようです。

 日本国内でのトリハロメタンの許容最大量は、調べてみないと正確には判りませんが、もしかするとカナダ(リットル当たり100マイクログラム)やアメリカ(80マイクログラム)よりも高い濃度であるのかも知れません。飲料水中の塩素も問題かも知れませんが、高濃度のトリハロメタンが含まれている飲料水も怖いですね。

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