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397. ゴキブリと喘息.4-20-2005.
 
米国立衛生研究所の委託をうけた複数の研究機関が、小児喘息に影響を与える要因について三年間にわたり全米規模の調査を実施したようです。テキサス大学医療センター内科・小児科のR.Gruchallag教授らは、その結果をアレルギー・臨床免疫学雑誌Journal of Allergy & Clinical Immunology (115: 478-485, 2005)に発表しています。興味ある内容が含まれていますので、一部を紹介します。
 
都市部に住む5歳から11才までの中等度から重度の小児喘息患者937例を対象として、ゴキブリやダニのアレルゲン、ペットのふけ、カビに対する感受性を皮膚テストで検査した。さらに寝室で採取したホコリに含まれる各アレルゲンの含有量をも分析した。
 
その結果、シカゴ市、ニューヨーク市(ブロンクス地区)などの米国北東部の住居からは、喘息の症状を誘発するのに十分量のゴギブリ・アレルゲンが検出された。一方南部と北西部のテキサス州ダラス市、ワシントン州シアトル市の住居からは喘息症状の増悪につながる量のダニ・アレルゲンが検出された。ゴギブリ・アレルゲンとダニ・アレルゲンの二つのアレルゲンの検出量と居住形態とに関連性があり、ゴギブリ・アレルゲン量は高層建物で、ダニ・アレルゲン量は一戸建て住宅で最大であった。
 
ゴキブリは水場と食べ物に誘引されて集まる。住居内のダニはヒトの皮膚のフケを餌とし、フトン、カーペット、カーテンなどのホコリの溜まりやすい場所を住処とする。ダニ・アレルゲンは、ダニの消化管に由来するタンパクでダニの糞に排泄される。ゴギブリ・アレルゲンは、ゴキブリの唾液、糞、分泌物、死骸などに由来する。 
 
ゴギブリ・アレルゲンは、1) 台所や食堂以外で食事をしない、2) 冷蔵庫内で保存しない食べ物はプラスチック容器や密封できるプラスチック袋に納める、3) 台所の生ゴミは毎日捨てる、4) カーペットを敷いてない床はぬらしたモップで拭く、5) カーペットを敷いた場所は頻繁に掃除機をかける、などで接触を少なくすることができる。
 
米国環境衛生研究所のK. Olden所長は、「都市部の家庭環境では、小児喘息の主なアレルゲンは、ゴキブリであることが判った。しかし、普段の清掃などでアレルゲン量を少なくすることは可能である」と述べています。
 
小児のアレルゲンへの曝露と生活様式に地理的構造的格差があることが報告され、ダニやペット由来のアレルゲンよりゴキブリのアレルゲンのほうが喘息の症状を悪化させると言う内容です。米国のゴキブリとダニは、地方と建物を住み分けているようです。国内ではどのようになっているのか興味があるところです。また日本国内でのフローリング床は、電気掃除機を使わないで、モップでホコリをとるほうが、ホコリをまき散らかさないので、喘息の患者には大変に有効な手段のように聞いています。ゴキブリのアレルゲンとはこれまで聞いたことがありませんでしたので、大変に興味を覚えました。

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