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473. ピロリ菌は家族内感染. 7-28-2007.
キーワード:ピロリ菌 感染 家庭内
 
慢性の胃炎や胃ガンの原因となるHelicobacter pylori(ピロリ菌と略称)は、飲み水、糞便やと物などを介して口を介して体内に侵入し感染が成立し、その後感染は持続するものと考えられています。
 
九州大学の先生方は、福岡県と沖縄県の一般住民を対象にピロリ菌感染の調査を行ないました。福岡県では2002年にH村271例(21〜84歳)、K町3,310例(20〜89歳)を調べました。沖縄県ではI市で1993年に成人218例(22〜79歳)と乳幼児395例(0〜6歳)、2002年には成人238例(20〜79歳)と乳幼児253例(0〜6歳)を対象に実施しました。
 
上下水道の普及率の低いH村でのピロリ菌の感染を示唆する抗体陽性率は67.5%とであり、K町の陽性率は55.0%とI市は54.7%に比較して有意に高い値を示しました。I市の1993年と2002年の抗体陽性率を比較すると、この10年間で成人では69.4%から52.5%へと有意に低下していました。乳幼児では9.6%と10.3%と差がみとめられませんでした。
 
128家族を対象に親子間の感染を抗体陽性率から検討してみました。子供の抗体陽性率は197例中25例で陽性率は12.7%でありました。このうち母親が陽性の子供の陽性率は21.6%であり、母親が陰性の子供の陽性率は3.2%と低い値でした。一方、父親の抗体が陽性または陰性により子供の抗体陽性率に有意な差は認められませんでした。
 
夫婦間の感染は、497組の夫婦を対象に検討しました。夫が交代陽性の場合の妻の陽性率は64.0%と高く、夫が陰性の場合の妻の陽性率は46.5%と低い値でした。同様に妻が陽性の夫の陽性率は288例中208例が陽性で、その陽性率は72.2%でありました。ところが妻が陰性の夫の陽性率は56.0%と有意に低い値を示しました。
 
 
この九大の先生方の調査結果は、
@ピロリ菌に対する免疫抗体の保有率には地域差が見られたこと、
A成人では感染率が減少傾向にあること、
B乳幼児では減少していないことを示しています。
さらに家族内感染では、
C母子感染の存在および
D夫婦間感染の存在が示唆されています。
これらの結果から家族内感染の可能性がうかがわれますが、なにを介して感染が起こるのかはわからない。例えば母乳を介した母子感染の有無は、調査する必要がありそうです。

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