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488. 北京の下水でメダカに異常.2-20-2008.
キーワード:処理下水、メダカのふ化、奇形、環境ホルモン、レチノイン酸
 
1月4日の全国紙朝刊に掲載された報道によると、次のような内容が記載されています。この報道は、微妙な内容を含みますから、コメントなしで紹介します。
 
北京市内の下水処理水を使ってメダカの卵をふ化させる実験を日中共同で行った。その結果、環境ホルモンの影響とみられる稚魚の尾の奇形や卵がふ化するに要するふ化日数の短縮による死などが起き、ふ化の80%に異常があったことが1月3日に明らかにされた。
 
このことにより、今年の8月に開催される北京五輪を前に環境対策を本格化させている中国だが、身近な生活環境に不安が潜んでいることが浮き彫りになった。
 
日中共同の実験は、オゾンによる高度な下水処理技術をもつ三菱電機が大阪大学、北京大学などと共同で2005年から2年間をかけて実施した研究の一部で、将来的に高度処理技術を導入することで、北京の水不足を解消することが目的であった。
 
三菱電機によると、実験は現在の北京の下水処理水を使い、汚染への感度が高いといわれているメダカの卵に処理水をかける形で行われた。その結果、通常90%とされるふ化率は、30〜40%に低下した。ふ化日数も通常は10日でふ化するのが、5〜7日に短縮された。尾の先端が曲がるなどの奇形も確認された。正常なふ化は、わずか20%だった。成魚には影響はなかった。
 
原因については、従来の下水処理(活性汚泥法)では除去できないビタミンAの代謝産物「レチノイン酸」と同様な働きをする物質が処理水に含まれていたとみられている。
 
また北京市内の主要6か所の下水処理場から排出される処理水を検査した結果、5か所でレチノイン酸と同様な働きをする物質の陽性反応がでた。この5か所には、いずれも工場排水が混入していたという。
 
環境ホルモンの一種ともいわれているレチノイン酸は、美容整形のしわ取りなどに使われている物質で、過剰に摂取するとカエルの後ろ脚が三本になる奇形の報告もあるそうです。ある意味では恐ろしい環境汚染です。
 
 
レチノイン酸とは、ビタミンA(レチノール)の誘導体で、生理活性はビタミンAの約50〜100倍で、ビタミンA類の体内での生理活性の本体そのものと考えられています。このレチノイン酸は、米国ではしわ・にきびの治療医薬品として、FDAに認可されており、非常に多くの人に皮膚の若返り薬として使用されています。しかし、中国の状況は判りませんが、日本国内ではレチノイン酸の使用は認可されておりません。レチノイン酸の効果は、皮脂分泌をおさえ、角質をはがすことで皮脂の排出を促進することです。真皮でのコラーゲン生成を促進し、にきび跡の凹みを改善するといわています。表皮のヒアルロン酸の分泌を高めるので、保湿力があがり、皮膚細胞の再生(ターンオーバー機能)を高めるといわれています。
レチノイン酸の副作用は、表皮が薄くなってしまうので、紫外線に敏感になり、また刺激が強いので、皮膚が炎症を起こしたように赤くなることがあるようです。催奇性の危険があるので、妊婦の使用は控えるか避妊が必要といわれています。
レチノイン酸は、ビタミンAを摂取・分解される際にできる物質で、広い意味では環境ホルモンの一種とされています。従来の下水処理では除去不能で、オゾンを使って処理すれば分解が可能になるといわれています。

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