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550. ビタミンAが慢性C型肝炎の治療を増強.6-11-10.
キーワード:慢性C型肝炎、抗ウイルス効果、ウイルス陰性化率、ベグインターフェロン、リハビリン、ビタミンA
 
慢性C型肝炎に対する標準的治療は、ペグインターフェロン(PEG-TNF)とリハビリンの併用である。この治療法によっても持続的ウイルス陰性化を得られない症例が多いのが現状である。
 
島根医科大学の佐藤秀一博士らは、標準的治療にビタミンA(レチノ−ル)を併用すると、C型肝炎ウイルスの早期陰性化率と持続的ウイルス陰性化率が著名に
改善されると米国消化器病週間2010で報告した。
 
佐藤秀一博士らは、これまでにin vitroでレチノ−ルが肝ガン細胞のTNF受容体を増やし、TNF活性を高めることを報告している。またPEG-TNFとリハビリン併用療法にレチノ−ルを短期間追加投与すると、TNFの抗C型肝炎ウイルス効果が高まる、一方で安全性に問題がないことを観察している。
 
この度、佐藤秀一博士らは、レチノ−ルを長期間投与する予備実験を行った。対象は、2006〜2008年に登録された慢性C型肝炎患者41例で、無標準的治療群(対照群、21例)とレチノ−ル追加投与群(レチノ−ル群、20例)に無作為に割りつけた。
対照群の治療は、PEG-TNFを毎週一回筋注と、リハビリン600また 800mgを毎日一回経口投与の併用で、治療期間は48週間とした。レチノ−ル群ではこれに加えてレチノ−ル3万単位を毎日経口投与した。
対照群の平均年齢は59.7歳、男性は13例で、平均体重は60.5kg、10例がTNFによる治療歴があり、平均ALT値は52.7IU/mlであった。レチノ−ル群の平均年齢は52.7歳、男性は11例で、平均体重は60.7kg、6例がTNFによる治療歴があり、平均ALT値は80.3IU/mlであった。
 
治療開始後8週におけるC型肝炎ウイルスのRNA陰性化率は、対照群の3.8%(2 1例中6例)に比べ、レチノ−ル群では60%(20例中12例)と優位に高かった。持続的ウイルス陰性化率も対照群の43%(21例中9例)に比べ、レチノ−ル群では65%(20例中13例)とやはり高かった。レチノ−ル追加投与による考えられる有害事象は認められなかった。最後に佐藤博士は、今後多くの症例で試みるべきであると考えていると結論している。
 
 
ビタミンA(レチノール)は、脂溶性ビタミンに分類され、化学的にはレチノイドと呼ばれる。ヒト血液中のビタミンAの濃度は、通常0.5μg/ml程度で、0.3μg /mlを切るとビタミンA欠乏症状を呈する。ビタミンAを多く含むものとしては、有塩バター(600 IU)、生乳(120 IU)、鶏卵(460 IU)、プロセスチーズ(850 IU)、生ホウレン草(2,100 IU)、ウナギの蒲焼(4,500 IU)、マーガリン(5,500 IU)や豚レバー(39,000 IU)/100 gなどがあげられる。
慢性C型肝炎に対する標準的な治療法(ペグインターフェロンとリハビリン)に加えてレチノ−ル3万単位を毎日経口投与すると、@RNA陰性化率は、標準治療群の3.8%に比べ、レチノ−ル併用群では60%と優位に高く、A持続的ウイルス陰性化率も標準治療群の43%に比べ、レチノ−ル群では65%とやはり高くなった。ビタミンAの効果がどのような理由によるのかは不詳のようだが、慢性C型肝炎の治療にビタミンAが有効であるらしい。今後の研究成果に期待したいものである。

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